投稿者: 技術部 T&K (1ページ目 (2ページ中))

学生フォーミュラ日本大会に向けて

     

からっと晴れた夏の終わり、山梨大学学生フォーミュラ部のみなさんがいらっしゃいました。

今週から始まる学生フォーミュラ日本大会2022(9/6~10)に挑むための最終調整を行うそうです。

   

学生フォーミュラとはレーシングカーの販売を想定した車両の開発・製作・価格・性能、ものづくりに関わる全ての内容を総合的に競う大会になります。

コロナ渦の影響により3年ぶりに競技を含む全日程の開催となるようです。

弊社では学生達のものづくり活動の支援のため、チームスポンサーとして試走テストを行うための敷地貸出を行っています。

   

素晴らしく晴れた夏の暑さの中、トラブルに見舞われながらもチーム一丸となって最終調整を行っていました。

ここで、部長のグエンさんに意気込みを聞いてみました。

今回のコンセプトは?

人車一体です。

限られた走行機会のなかで、運転しやすい車を作ることでドライバー負担を減らし成績UPを目指します。

車両の特徴は?

低速トルクのあるエンジン特性を活かしハンドリング性,加速の面で高応答性を目指しています。

どんなエンジン?

SUZUKI製 650cc V型2気筒 

V-Stromというバイクのエンジンを流用してチューニングしています。

大会での目標は?

まずは動的競技完走!その暁には6位以内を目指して頑張ります。

最後にメッセージ

来年からEV部門への変更を控えており、今まで以上に大変になります。

たくさんの課題がありますが、より多くのスポンサー様からのご支援をお願いしたいと思っています。

最後のエンジン車での参戦となりますが、悔いの残らぬよう頑張ります!

山梨大学学生フォーミュラ部ではコロナ渦による活動制限の壁があり、思うように車両製作を行うことをできなかったそうです。しかし、それをチャンスと捉えてEV転向を決断しました。EV部門とは電動レーシングカー(現部門はガソリンエンジン車)での開発を行う部門で、海外では非常に活発で性能の高い車両が製作されている部門です。思うように車両製作できない期間をEVにあてることでピンチをチャンスに変えることに成功したそうです!

EV部門は日本ではまだまだ割合としては少なく、全体の1/3程になります。

多くの課題がありますが、チーム一丸となってチャレンジを成功させてほしいです。

エンジン車両による最後の大会参戦となりますが、悔いの残らない内容となるよう応援しています!

頑張れ!山梨大学学生フォーミュラ部

電源電圧の低下が巻上機に与える影響

お久しぶりです、久々の技術情報をお届けします。

突然ですが皆さん、当社製品の場合は電源電圧の許容値は±10%ですが、気にかけていただいているでしょうか?
電源電圧は大きく分けて停止時・始動時・ 定常時の3段階で変化しますので、この3段階で常に許容値に収まるようにして下さい。
ちなみに流れる電流が大きくなるほど電圧は低下します。
今回は電源電圧の低下がウインチやホイストにどんな影響を与えるか紹介していきます。

CASE 1 : DCモータで動く製品(ベビーホイストやベビーマイティなど)の場合

電源電圧が低下すると、それに比例して運転速度が低下します。なお、始動電流と始動トルクも低下しますが、定常電流(速度が一定のときの電流)は電圧に関係なく負荷が増えると大きくなります。また、極端に電源電圧が低下すると制御器が機能しなくなり、動作しなくなります。

注意 電源電圧が高いと、それに比例して運転速度が上がりますので、昇圧トランスを利用して電源電圧を高くする方がいます。しかし、許容電圧を超えて劣化や故障の原因になることがありますのでお勧めしません。

CASE 2 : 誘導モータで動く製品(マイティプラー)の場合

DCモータで動く製品と違い、電源電圧が低下してもほとんど運転速度は変化しません。しかし、始動電流と始動トルクは低下します。(電圧が10%低下すると始動トルクは19%低下します)始動トルクが低下すると、荷を持ち上げてから加速して一定速度になるまで時間がかかったり、荷を持ち上げることができなくなり、最悪の場合はモータやブレーキが焼損します。
また、三相誘導モータの始動電流は定格電流の6~8倍にもなりますので、それに応じて電源電圧も低下します。WK55X以外のマイティプラーは無励磁作動形電磁ブレーキ(バネでブレーキをかけ、電磁石でブレーキを解放するタイプ)ですので、極端に電圧が低下しているとブレーキを正常に解放できなくなり、この場合も荷を持ち上げることができなくなります。
定格荷重以下にもかかわらず始動に時間がかかったりブレーキがチャタリング(電磁石が吸着と解放を繰り返す状態)したら、電源電圧が極端に低下しているサインです。

電源電圧の低下を抑えるには…

安易な電源ケーブルの延長 や電源容量不足、複数台の同時運転(特に同時始動)により電源電圧は低下しますので注意して下さい。 電源ケーブルを延長したい場合や発電機で運転したい場合は、取扱説明書やこちらの下方を参照して適切に選定して下さい。

学生フォーミュラ

夏の甲子園での激闘も終わりましたが、未だ興奮冷めやらぬところですね。激闘の甲子園に関連して、工学部生の激闘の夏「学生フォーミュラ」について紹介します。

毎年9月初旬に開催される自動車技術会主催の全日本学生フォーミュラ大会。トーヨーコーケンではその大会に参加する山梨大学学生フォーミュラ部のスポンサーとして、熱い志を持った学生の活動支援を行っております。


―学生フォーミュラとは―
学生自らチームを結成しフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを企画-開発-設計-製作を約1年間通して行います。9月の大会では競技による走行性能に加え、車両のマーケティング、企画・設計・製作、コスト等のものづくりに必須な要件が全て採点項目になり、ものづくりにおける総合力を競います。

↑今年度車両(エンジンをV型2気筒に変更し、勝てる車へと再設計)

ちなみに、この大会はアメリカ、ドイツ、オーストラリア等の世界中で開催されています。最近の話題では電動クラスに参戦していたチューリッヒ工科大学が開発した電動フォーミュラカーは、わずか1.513秒で時速0kmから100kmまで加速するという性能を誇ります。もちろん世界最速記録としてギネス記録に認定されているほどです。すごすぎます…

今回の山梨大学学生フォーミュラ部は大会直前ということで、試走会を山梨事業所の敷地で行いました。弊社の敷地内には150m程の長い直線があり、アクセラレーション(加速競技)やパイロン旋回など様々な競技の練習ができます。一番大切な各種データの収集やセッティングの最適解を探すため、高負荷な走行テストを行うには最適な場所です。

今回の試走会にはUTY(テレビ山梨さん)も同行し、密着取材をされていました。試走会の様子が10/7(月) UTY「ウッティタウン6丁目」に写るとか、写らないとか。密着特番を計画されているようです!

連日の徹夜続きでバテバテの学生さんもいらっしゃいましたが、交代で休憩を取りながらセッティング変更、走行試験、データ収集、分析と非常に効率的なPDCAサイクルを実行されていました。

OB(当時フレーム班長)の私から学生フォーミュラの大変さのひとつを説明しますと、人間が搭乗するレーシングカーですので安全性、信頼性が必須になります。そのため非常に厳しいレギュレーションに基づいて設計を行います。なんと、その細かいレギュレーション本は全て英文!それを和訳します。レギュレーションを正しく解釈し、大会中に行われる車検で合格をもらわなければ“走ること” さえ許されません。この日も一部 検査基準内に収まらない数字があり、学生達は悪戦苦闘していました。

熱い日が続きますが、学生達には熱い心をキープして大会で1年間のすべてを出し尽くしていただきたいですね!!

ガンバレ 山梨大学学生フォーミュラ部!!

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