9ページ目 (15ページ中)

電源電圧の低下が巻上機に与える影響

お久しぶりです、久々の技術情報をお届けします。

突然ですが皆さん、当社製品の場合は電源電圧の許容値は±10%ですが、気にかけていただいているでしょうか?
電源電圧は大きく分けて停止時・始動時・ 定常時の3段階で変化しますので、この3段階で常に許容値に収まるようにして下さい。
ちなみに流れる電流が大きくなるほど電圧は低下します。
今回は電源電圧の低下がウインチやホイストにどんな影響を与えるか紹介していきます。

CASE 1 : DCモータで動く製品(ベビーホイストやベビーマイティなど)の場合

電源電圧が低下すると、それに比例して運転速度が低下します。なお、始動電流と始動トルクも低下しますが、定常電流(速度が一定のときの電流)は電圧に関係なく負荷が増えると大きくなります。また、極端に電源電圧が低下すると制御器が機能しなくなり、動作しなくなります。

注意 電源電圧が高いと、それに比例して運転速度が上がりますので、昇圧トランスを利用して電源電圧を高くする方がいます。しかし、許容電圧を超えて劣化や故障の原因になることがありますのでお勧めしません。

CASE 2 : 誘導モータで動く製品(マイティプラー)の場合

DCモータで動く製品と違い、電源電圧が低下してもほとんど運転速度は変化しません。しかし、始動電流と始動トルクは低下します。(電圧が10%低下すると始動トルクは19%低下します)始動トルクが低下すると、荷を持ち上げてから加速して一定速度になるまで時間がかかったり、荷を持ち上げることができなくなり、最悪の場合はモータやブレーキが焼損します。
また、三相誘導モータの始動電流は定格電流の6~8倍にもなりますので、それに応じて電源電圧も低下します。WK55X以外のマイティプラーは無励磁作動形電磁ブレーキ(バネでブレーキをかけ、電磁石でブレーキを解放するタイプ)ですので、極端に電圧が低下しているとブレーキを正常に解放できなくなり、この場合も荷を持ち上げることができなくなります。
定格荷重以下にもかかわらず始動に時間がかかったりブレーキがチャタリング(電磁石が吸着と解放を繰り返す状態)したら、電源電圧が極端に低下しているサインです。

電源電圧の低下を抑えるには…

安易な電源ケーブルの延長 や電源容量不足、複数台の同時運転(特に同時始動)により電源電圧は低下しますので注意して下さい。 電源ケーブルを延長したい場合や発電機で運転したい場合は、取扱説明書やこちらの下方を参照して適切に選定して下さい。

労働環境改善の画期的なアイデア!!ロボット+ウルトラバラマン=コラボシステムのご案内

いよいよ10月に入り、残暑も収まり秋らしくなってきましたね。さて、今回のメルマガはバラマンを使った現場改善のアイデア・ロボットと弊社ウルトラバラマンを組み合わせたシステム(通称:コラボシステム)のご案内です。一般的に、ロボットで重量物のワークを搬送・解決しようとすると、ロボットが大型になりレイアウト的な制約が多くなります。また、仕様に合わせたハンドの設計・製作にあたって、ある程度のノウハウや実績が必要です。そこで弊社のバラマンが登場!!ロボットが弊社バラマン「ウルトラバラマン」を操作することにより、以下の3つのメリットがあります。

①ロボットの小型化で省スペースを図りながらも、ロボットの可搬重量以上のワーク搬送を実現。

②ウルトラバラマンの制御(通称:ウルトラ制御)により、異なる重量物がランダムに流れてきても、柔軟に対応可能。

③弊社の長いバラマンの実績・経験により、様々なハンドを提案・製作が可能。

 これらはウルトラバラマンが持つ独自の制御・ウルトラ制御により成せるワザ。そしてバラマンの経験で培ったアタッチメントのノウハウ。これらをロボットと組み合わせることにより、各単体では成しえなかったような作業・業務を実現可能にします。

 但し、前述の通り、これはあくまでアイデアです。弊社はバランサーメーカーの為、ロボットの選定や全体のシステムのレイアウト設計・施工などはできません。このあたりはシステムエンジニア会社様・ロボットメーカー様の範囲になります。昨今、労働者の高齢化・少子化などに伴い、労働環境は大きく変化しております。ユーザー様にはこのような問題を解決するアイデアとして、またシステムエンジニア会社様・ロボットメーカー様にはアプリケーションのひとつとして参考にして頂ければ幸いです。

学生フォーミュラ

夏の甲子園での激闘も終わりましたが、未だ興奮冷めやらぬところですね。激闘の甲子園に関連して、工学部生の激闘の夏「学生フォーミュラ」について紹介します。

毎年9月初旬に開催される自動車技術会主催の全日本学生フォーミュラ大会。トーヨーコーケンではその大会に参加する山梨大学学生フォーミュラ部のスポンサーとして、熱い志を持った学生の活動支援を行っております。


―学生フォーミュラとは―
学生自らチームを結成しフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを企画-開発-設計-製作を約1年間通して行います。9月の大会では競技による走行性能に加え、車両のマーケティング、企画・設計・製作、コスト等のものづくりに必須な要件が全て採点項目になり、ものづくりにおける総合力を競います。

↑今年度車両(エンジンをV型2気筒に変更し、勝てる車へと再設計)

ちなみに、この大会はアメリカ、ドイツ、オーストラリア等の世界中で開催されています。最近の話題では電動クラスに参戦していたチューリッヒ工科大学が開発した電動フォーミュラカーは、わずか1.513秒で時速0kmから100kmまで加速するという性能を誇ります。もちろん世界最速記録としてギネス記録に認定されているほどです。すごすぎます…

今回の山梨大学学生フォーミュラ部は大会直前ということで、試走会を山梨事業所の敷地で行いました。弊社の敷地内には150m程の長い直線があり、アクセラレーション(加速競技)やパイロン旋回など様々な競技の練習ができます。一番大切な各種データの収集やセッティングの最適解を探すため、高負荷な走行テストを行うには最適な場所です。

今回の試走会にはUTY(テレビ山梨さん)も同行し、密着取材をされていました。試走会の様子が10/7(月) UTY「ウッティタウン6丁目」に写るとか、写らないとか。密着特番を計画されているようです!

連日の徹夜続きでバテバテの学生さんもいらっしゃいましたが、交代で休憩を取りながらセッティング変更、走行試験、データ収集、分析と非常に効率的なPDCAサイクルを実行されていました。

OB(当時フレーム班長)の私から学生フォーミュラの大変さのひとつを説明しますと、人間が搭乗するレーシングカーですので安全性、信頼性が必須になります。そのため非常に厳しいレギュレーションに基づいて設計を行います。なんと、その細かいレギュレーション本は全て英文!それを和訳します。レギュレーションを正しく解釈し、大会中に行われる車検で合格をもらわなければ“走ること” さえ許されません。この日も一部 検査基準内に収まらない数字があり、学生達は悪戦苦闘していました。

熱い日が続きますが、学生達には熱い心をキープして大会で1年間のすべてを出し尽くしていただきたいですね!!

ガンバレ 山梨大学学生フォーミュラ部!!

♪UUUSA!UUUSA!♪ ♪カーモンベイビーアメリカ♪

 最近、弊社では先日発表した10月販売予定の法面ウォーカーのPR活動が活発になり、HPやメルマガもそれに合わせ宣伝が多くなってきました。そこで今回のブログは、ひと息入れる意味で、仕事から離れた私的なものを書いてみました。

 突然ですが、先日、長期休暇を取ってプライベートでアメリカへ旅行してきました。主な目的はふたつ。ひとつは、母がコロラド州にあるロッキーマウンテン国立公園に行きたいという希望。もうひとつは、アメリカに住んでいる兄に会いにいくこと。そこで、レンタカーを借り、3人乗り合いでホテルを転々としながら、コロラド州をめぐる10日間の旅を計画。通訳は兄にまかせ、こちらは旅行の行程管理と母の引率。コロラド州は山々がきれいで自然が豊かな面と、街並みがきれいで、その対比が絶妙でした。

 また、道中の車内ではいろいろな話をしました。特に年も年なので、話題は健康・病気・そして死ぬこと(いわゆる終活?)。老後に備える・独り身の入院は大変・できたらポックリ逝きたいなど、年相応の話題に少しさみしいような、しかし元気なうちにこういう話ができてよかったような、そんなことを感じました。

 この旅行を通じて、英語が出来れば、自由に行き来できる場所が多くなるのだと、至極当たり前のことですが改めて痛感。パックツアーではないので、レストランの場所やメニュー、買い物する場所などは、臨機応変に決めることができ、これらはすべて英語を話せる兄のなせるわざ。自分もこんな風に話せれば、世界を自由に行き来できるのだと感じました。実は、この旅行と前後するかたちで、海外での仕事を見据えて、今年6月から社内の英会話スクールを受講し始めていましたが、さすがにその成果は間に合いませんでした。

 今回、親孝行的な意味合いの旅でもありましたが、海外業務への意欲を高めた良いきっかけになりました。この思い出と英会話スクールを糧に、次回は私的な海外話でなく、海外業務のブログを書いてみます。


«過去の 投稿 新しい 投稿 »